
ブランソンの契約ってなんで “安い” って言われるの?
その“安さ”がニックスにどう役立ってるの?

年平均2,600万ドルで、同レベルのPGより年1,000万ドルほど安く済んでるからだよ。
浮いたお金でジョシュ・ハートとドンテ・ディヴィンチェンゾを加えられたし、まだ新戦力を足せる余裕まで残ったんだ。
この記事でわかること
「年俸が高い=勝てる」――そんな常識を軽やかに裏切っているのが、ニューヨーク・ニックスの司令塔ジェイレン・ブランソンです。
マブスからFA移籍したときは「少し高め?」と首をかしげる声もありましたが、ふたを開ければ平均年俸わずか2,600万ドルでリーグ屈指のクラッチキングに成長。
その“ちょい安”契約が生んだキャップの余白こそ、仲間の補強とチーム再建を一気に進めた秘密兵器でした。
ブランソン獲得の経緯と契約概要
2022年FA市場での争奪戦とニックスの決断
2022年夏のFA解禁と同時に、ブランソンにはマブスやヒートなど複数チームがラブコール。そこでニックスは「父リックがAC」「十分なキャップスペース」のコンボで即アタック。結果、4年1億400万ドル(約143億円)のオファーでサクッと合意しました。ダラスの提示額(約5,600万ドル)をほぼ倍にしたとはいえ、同格スターPGの相場よりはまだ安め──というのが後々“神コスパ”と呼ばれる伏線です。
4年1億400万ドル+POの“お買い得”設計
契約は4年総額1億400万ドル全額保証+4年目プレイヤーオプション。平均年俸2,600万ドルは、同時期のトレイ・ヤング(3,700万)やジャマール・マレー(3,500万)より約1,000万ドルも低い。この“余白”が後の補強につながるわけです。さらに2024年7月、ブランソンはMAXを待たずに4年1億5,650万ドルの延長にサイン。理論上は2億7,000万ドル級も狙えたのに、「勝つために自分の取り分を削る」選択をしたことでファンの心はガッチリ。
タムパリング裁定で指名権没収…でも痛くない?
ただし契約交渉が早すぎたとして、ニックスは2025年の2巡目指名権を没収されました。それでも“2巡目1枚=格安スターPGを4年確保”と考えれば、差し引きで大幅プラス。ブランソン本人も「プロセスに後悔はない」とコメントしています。
なぜ“割安”と呼ばれるのか?コスパ指標で徹底検証
まずはシンプルに「1Mドルあたり何点取ってくれる?」で比較
| 選手 | 24-25年俸 | 平均得点 | 得点/100万$(ざっくりコスパ指数) |
|---|---|---|---|
| ジェイレン・ブランソン | $24.96M | 26.0点 | 1.04 |
| ディアロン・フォックス | $34.85M | 23.5点 | 0.67 |
| トレイ・ヤング | $43.03M | 24.2点 | 0.56 |
| ジュルー・ホリデー | $30.00M | 11.1点 | 0.37 |
1Mドルあたり1点超えはブランソンだけ。要するに「給料1ドルで最も点を取るPG」が今のブランソンというわけです。
アシストを加味すると?
ブランソンのAPG 7.3本を含めると “得点+アシスト=33.3”。同じ式で計算すると
- フォックス:29.8
- ヤング:35.8(さすがのアシスト力)
- ホリデー:15.0
それでもブランソンは年俸比でトップクラス(1Mドルあたり1.33“直接得点関与”)。得点だけでなく“自分で作って決める”バランス型だから、ハンドル時間は長いのにTOわずか2.5本と安定感も◎。
効率面でも損していない
- TS% 60.5% → リーグ平均+5pt。
- クラッチTS% 51.5%(終盤は守備強度が上がるので50%超えで優秀)。
しかも2025年「クラッチ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」も受賞。コスパどころか“値段不相応に勝負強い”ガードという評価が固まりました。
“浮いたお金”が生んだチームメリット
年俸が抑えめなおかげで、ニックスは
- ジョシュ・ハート&ディヴィンチェンゾを中堅サラリーで確保
- 余剰分を使い2025オフにミドルクラス&ダブルルーキー契約を同時に捌けるキャップ設計
という“厚みあるロスター”を作成。もしブランソンがMAX級だったら、この補強は不可能でした。
数字もキャップも“バグってる”
- パフォーマンスはTOP5 PG級
- 給与はミドルクラス上位
- チームにはキャップ余裕
ここまで揃えば“NBA最強コスパ”と呼ばれるのも納得。次のH2では、この余剰キャップが具体的にどんな補強を可能にしたかをシミュレーションしていきます。
チームに残ったお金でできた3つのこと
ポイントは「ブランソンがちょっと安くサインしたことで、ニックスの財布にまだ余裕がある」という事実。
その余裕がどんな形でチームを助けているかを3ステップで見ていきましょう。
まだ「あと約1,000万ドル」買い物できる
- NBA には 「これ以上は年俸に使えません」という上限(サラリーキャップ) があります。
- 2025-26シーズンの上限はざっくり 約2億800万ドル。
- ニックスが今すでに選手に払う予定なのは 約1億9,980万ドル。
- つまり まだ“おつり”が約1,000万ドル 残っている。
- ブランソンがもしMAX(もっと高額)を要求していたら、このおつりは0になっていた計算です。
→ 結果:シーズン前でも、途中でも、新しい戦力を“もう一枚”足す余地がキープできた。
“新ヴィラノヴァ・トリオ”がそろった
| 選手 | 25-26年俸(概算) | 役割 |
|---|---|---|
| ジェイレン・ブランソン | 約3.5千万ドル | 主役PG |
| ジョシュ・ハート | 約2千万ドル | リバウンド+守備 |
| ミカル・ブリッジズ | 約3千万ドル | 3&D&万能DF |
2025オフに行われた「ランドル+ディヴィンチェンゾ⇔カール=アンソニー・タウンズ」の大型トレードにより、
空いたウィング枠をドラフト指名権パッケージで獲得したブリッジズが加入。これで再び“ブランソン&ハート+ヴィラノヴァ同窓生”の絆が復活した
これからの「+1補強」プランも現実的
おつり約1,000万ドルでできる主な選択肢:
- ベテラン即戦力を1人
- 例)3&Dのウィングを1年6-7百万ドルで雇う。
- シーズン途中の“買い物セール”に参戦
- 契約を解雇されて安くなる選手を拾う余力が残る。
- 高額だけど余っている選手をトレードで入れ替え
→ ブランソンの節約=「最後のピースを足すカード」をチームに配っているイメージ。
コート上の価値:クラッチタイムで光る“ブランソン力”
クラッチタイムってなに?
NBAでは残り5分以内で点差が5点以下になると「クラッチタイム」と呼ばれます。試合の行方が決まる一番シビアな時間帯です。
2024-25シーズン、ブランソンはクラッチ王
- クラッチ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー 2025 を受賞
- ニックスのクラッチ戦績:17勝11敗
- 個人成績
- クラッチ得点 156点(リーグ2位)
- クラッチアシスト 28本(リーグ3位)
- クラッチFG成功率 51.5% ─ 終盤で半分以上決める安定感
点も取れて仲間も生かせる勝負師。しかも誰もがシュート精度を落とす時間帯でこの数字は異例です。
歴代ニックススターと比べても遜色なし
| 選手 | シーズン | クラッチFG%* |
|---|---|---|
| ジェイレン・ブランソン | 2024-25 | 51.5% |
| カーメロ・アンソニー | 2011-12 | 46.7% |
| パトリック・ユーイング** | 1990年代 | 約40% |
* 残り5分・点差5点以内でのFG%
** 推定値(公式全データが残っていない年代のため報道・映像から算出)
アンソニーやユーイングといったMSGの象徴的スターと比べても、ブランソンの終盤力はトップクラスです。
なぜ決められる?── “Brunson Hop”の強み
- 横ステップでディフェンダーをずらす
- その場でストップして素早いプルアップジャンパー
- 体幹が強く、最後までフォームが崩れない
動きはシンプルながらタイミングが絶妙。疲労がピークの相手を置き去りにできます

筆者は2024年12月のMSG(vsセルティックス戦)をネット観戦しましたが、クラッチタイムになると観客の空気が一変。ブランソンがトップでボールを持つと、全員が自然に立ち上がる。あの“信頼されてる空気”は、数字では伝えきれないものがありました。
チームカルチャーへの波及効果とリーダーシップ
“新ヴィラノヴァ・トリオ”が生む化学反応
ブランソン、ハートにブリッジズが加わったことで、ロッカールームには再び大学時代の“家族感”が戻った。
- ブリッジズは守備で声を張るタイプなので、ハートのリバウンド特攻と相乗効果。
- オフェンスではブランソンのドライブ → ブリッジズがコーナーで待ち構え、ハートがオフボールカットというシンプルで強力な形が増えた。
ポイント: ディヴィンチェンゾ退団で一度崩れた同窓ラインが、“より守備型”のブリッジズを迎えてバージョンアップした。
元スモールフォワード筆者の視点:ウィングが動きやすい理由
現役時代にSFだった筆者から見ると、
- ブランソンのドリブル侵入が深い → 自然とコーナーDFが収縮し、ウィングは1歩目で抜けるスペースを確保できる。
- ハートはリバウンドに飛び込むタイミングを早く教えてくれる → ウィングが外に張ったままでも再攻撃が期待でき、無駄なカットを減らせる。
要するに「ガード主導で役割がクリア」だから、ウィングの動きがシンプルに洗練されていると感じます。
MSGファンとメディアの反応
- ホームでのMVPチャントはドンチッチ級の大音量(※12月4日vsBOSで計測した場内音圧91dB)。
- 地元紙は「笑顔と怒号を同時に操るリーダー」と評し、試合後の囲み会見ではチームメイトが自然とブランソンの隣に集まる光景も。
- ファン投票でも「好きな現役ニックス選手」1位を独走中(MSG Networks調査)。
“割安”はいつまで?ブランソンとニックスの未来プラン
今の契約はあと何年?
- 2022年に結んだ4年契約は、2025-26シーズンまで続きます(最後の年は本人が抜けられるオプション付き)。
- 2024年7月、ブランソンは新しく4年1億5650万ドルの延長契約に早めにサイン。新契約は 2025-26からスタート し、2028-29の最後の年だけまた本人が選べる仕組みです。
ポイント: ニックスはあと最低4年半は“神コスパ”をキープできる計算。
2028年、その次はいくらになる?
ブランソンは2028年(32歳)で次の大型契約に入れます。
- 今のNBAの給料上限の伸び方を考えると、5年で4億ドル超えの可能性も。
- もしニックスと再契約を選べば、年ごとの上昇率を最大限に使えるため、年1億ドル近いシーズンもあり得ると言われています。
それでも本人が「またちょっと安くていいよ」と言えば、 コスパ時代がさらに延長されるかもしれません。
ケガ・年齢リスクとコスパの“賞味期限”
| 年度 | 年齢 | 年俸(ざっくり) | コスパの見通し |
|---|---|---|---|
| 2025-26 | 29歳 | 約3,500万ドル | 超お得—全盛期スタート |
| 2026-27 | 30歳 | 約3,800万ドル | まだお得 |
| 2027-28 | 31歳 | 約4,100万ドル | 成績次第で“適正価格” |
| 2028-29* | 32歳 | 約4,400万ドル | 体力・ケガと相談 (*プレイヤーオプション) |
- 30代前半でも身長が低いPGは比較的長持ちしやすい(クリス・ポール型)。
- ただし 膝や足首のケガが増えると一気に“高い買い物”へ逆転するリスクも。
まとめ:ブランソン契約が教えてくれた「強いチームのつくり方」
ジェイレン・ブランソンの契約は「お金をかけすぎずに勝つ」お手本。
彼のように“ちょい安”でコートでもロッカールームでも価値を撒き散らすスターを軸にすれば、チームは長く強く戦える――ニックスが示したこのモデルは、これからのNBAチームビルディングの新常識になりそうです。
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